一万円未満で真空管アンプが買える!TUBE-01J/03J+の使い方

PCオーディオ
TUBE-01J

真空管とは、大昔のオーディオで使われていた重要なパーツである。
今では、小さくて軽くて高性能な半導体が主流だ。

しかし今でも、何万円もする真空管アンプが売られている。なぜなら真空管には、オーディオで使うと独特の雰囲気が出るとされるからだ。

ところがNFJ(ノースフラットジャパン)の真空管アンプなら、一万円を超えることはないのでお買い得だ

単純にボリュームの調整が出来る「TUBE-01J」なら4,480円(税込み)、ボリュームに加えて高音と低音がコントロールできる「TUBE-03J+ 1」だと5,980円(税込み)である(2018年10月現在)。これに別売りのACアダプター(税込み780円)と送料を加えても、トータルで数千円程度と安く手に入るのだ

この真空管アンプを使って、独特なサウンドを、安く楽しんでみよう。

なお、このエントリーではTUBE-01Jの使い方を中心に紹介している。TUBE-03J+は、実際に買ってみたところ、組立方法はほとんど同じなので、併せて参考にしてほしい。

TUBE-01JとTUBE-03J+の使い方

真空管プリアンプの組み立て

パッケージには、真空管プリアンプ本体と真空管が別々に納められている。そこで、箱から取り出して組み立てる必要がある。

エジソンによる電球の研究から発展した真空管は、本体がガラスで作られている。だから落として割らないように、アンプ本体のソケットに差し込む。アルファベットの「C」の形でピンが並んでいるので、写真のようにソケットの形に合わせて、まっすぐセットするのがコツだ。

ちょっと力を加えても動かなくなったら完成だ。

パソコン本体との接続方法

実は、NFJの「TUBE-01J」と「TUBE-03J+」だけでは音が出せない(これを「プリアンプ」と呼ぶ)。なぜなら、オーディオスピーカーとそれを動作させるアンプ(パワーアンプ)が別に必要だからだ。

お手持ちのCDやラジオなどが聞けるミニコンポや、最近はやりのBluetoothスピーカーに、アナログのオーディオ入力 2があれば、それを使うといいだろう。

なおアナログ(音声信号)とは、イヤホンやスピーカーなどに流れている「音声の電気信号」のことだ。

筆者の場合、真空管サウンドを楽しむため「PCスピーカー」を用意した。なぜなら、据え置きのデスクトップパソコンを使っているため、ノートパソコンのような内蔵スピーカーが用意されていない 3からだ。

スピーカーが内蔵されたノートパソコンでも、そのままでは真空管サウンドが聞けないので、用意したほうがいいだろう。

その辺にある大きめの家電量販店で、数千円程度で売ってあるので、是非とも用意してほしい。できれば、先ほどのBluetoothスピーカーなどのように、外部入力端子があるタイプが望ましい。

 

左のRCA端子にPCからの音声ケーブル、右にスピーカーへ通じるケーブルを接続

さてTUBE-01Jや03J+には、RCA端子とも呼ばれる赤白のピンジャックがある。

ライン入力にはパソコン、ライン出力にはスピーカーからのケーブルを接続しよう。

大抵のパソコンならヘッドホン端子(ミニジャック)があるので、変換ケーブルやアダプタ(ミニプラグ→ピンプラグ)を使ってプリアンプの入力へ接続するといいだろう。

DACのすすめ

音質にこだわりたいならば、サウンドカードDAC 4を用意するといいだろう。外付けにすることで、ノイズに弱いアナログオーディオの回路を、ノイズ源のパソコン本体から分離できる。

DAC-X5J正面 左からイヤホン端子、RCA端子、イヤホン音量

例えば、NFJが出しているDAC-X5J+なら、赤白のアナログ音声出力(ピンジャック)がある。オーディオケーブルの色 5に合わせて、プラグをピンジャックに差し込めば完成だ。

なおDACを経由して音を出したいときは、WindowsやMacOS上で「オーディオ出力(再生デバイス)の切り替え」を行う必要がある

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PCスピーカーとの接続方法

このPCスピーカー「Creative GigaWorks T20 Series II GW-T20-IIR」には、ピンジャックからミニプラグへ変換するアダプタが付属している。これに先ほどのオーディオケーブルを組み合わせて、真空管プリアンプの出力をPCスピーカーの入力へ接続するといい。

筆者が使っているPCスピーカー(ELECOM製MS-130BK)のように、ミニジャックしかない場合、ピンプラグからの変換アダプターやケーブルが必要だ。

さて、入出力のオーディオケーブルとACアダプターを接続したら、ボリュームを左側へ絞りきった状態で電源を入れる。

電源がONになった「TUBE-03J+」

真空管プリアンプを初めて使うなら、ヒーターをよく暖めるため、最低でも5分ぐらい待った方がいいだろう。なぜなら真空管は、内蔵されたヒーターで動作するからだ。だから使い始めた当初は、大した音質の変化を感じられなかったかもしれない。

よく真空管を暖めたら、プリアンプから先にボリュームを上げて、スピーカーのボリュームを調整する。そして好きな曲を再生するといいだろう。

TUBE-01Jの試聴

最近では、CDを超える音質とされるハイレゾがある。しかし手元にないので、あらかじめiTunesで取り込んでいたCDをいろいろ聴いてみた。

 

その中で特に良かったのが、映画「シン・ゴジラ」で使われた「Persecution of the masses(1172)/上陸」である。蒲田に上陸した気味の悪い生物(ゴジラ第二形態)が暴れて、街が阿鼻叫喚の地獄と化すシーン(まさに”大衆の迫害“の直訳どおり)で流れていた曲だ。

新作予告で繰り返し流れた、レクイエムのような悲しい曲を覚えている人もいるかもしれない。

これを真空管プリアンプ経由で聴いてみると、同じPCスピーカーとは思えないぐらい、音が良くなったのだ。具体的に書くと、高音の響きがグッと良くなり、今まで聞こえなかったオーケストラや合唱のパートまで聞こえるようになったのだ。

他にもアニメのサウンドトラック(例えば「新世紀エヴァンゲリオン(TV版)」で使われたBGM)なども聴いてみたが、オーケストラによるクラシック調の曲ととてもマッチしていた。

まとめ

真空管アンプは昔から知っていたが、とても高価で手が届かないイメージがあった。
しかし数千円で買えるNFJの真空管プリアンプなら、とても手軽に真空管サウンドを楽しむことができる。たまたま大阪の日本橋を歩いたとき、このアンプに出会って本当に良かったと思う。

最近の半導体からなるオーディオでは味わえない、独特な雰囲気の優しい音がなかなか良かった。

だが、PCスピーカーのような小さいスピーカーでは、音の迫力に欠ける
そこで筆者は、別にアンプとスピーカーを用意して、本格的なPCオーディオ環境を作ったのだ。

真空管プリアンプを買うついでに、NFJのオーディオアンプ(FX-AUDIO- D302J+)も購入して、オーディオスピーカーを用意した。これについては、また別の機会に書こうと思う。

Notes:

  1. 01Jにトーンコントロール機能がついた「TUBE-03J」の改良品。使われている真空管の規格が違ったり、トーンコントロール機能に多少の変更点がある。詳しくはリンク先を参照
  2. ライン入力やAUX入力などとも呼ばれる。詳しくは取扱説明書などで調べること。
  3. iMacなど、スピーカーが内蔵されているモデルもある
  4. Digital Analog Converterの略。外付けサウンドカードみたいなもので、パソコンの音声出力を担当する機器。
  5. 左(L)チャンネルが白、右(R)チャンネルが赤
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